ページタイトル:西神社の大スギ ロゴ:人里の巨木たち

画像:西神社の大スギ(幹と並ぶ)


画像:西神社の大スギ(遠景)
 分教場の屋根越しに大スギの頂部が見える
名称 西神社の大スギ (にしじんじゃのおおすぎ)
名称の典拠 現地の標柱(注1)
樹種 スギ
樹高 25m(注2)
目通り幹囲 6.0m(注2)
推定樹齢 300年以上(注2)
所在地の地名 千葉県鴨川市西
 〃 3次メッシュコード 5240−50−11
 〃 緯度・経度 北緯35度05分51.3秒
           東頸140度00分45.7秒
鴨川市指定天然記念物(1976年4月28日指定))
撮影年月日 2014年5月18日

注1)1995年10月に鴨川市教育委員会が設置。天然記念物指定名称もこれに同じ
注2)環境庁「日本の巨樹・巨木林 関東版(U)」による





 嶺岡浅間(みねおかあさま、標高335m)南西麓。県道89号(鴨川富山線)のすぐ南に、西神社がある。
 祭神は大山祗命(おおやまつみのみこと)。いわゆる山の神だ(同時に海の神でもあるようだが)。この神を祀る神社は各地に多い。勧請年暦等は不詳。
 社殿の横、向かって左手に、市指定天然記念物の大杉が立つ。
 オモテスギ型のすらっとした姿で、車窓からも頂部が見える。樹勢も良さそうだ。
 ここからは脱線である.。
 西神社の隣に、曾呂(そろ)尋常小学校分教場の建物が残っている。(曾呂は、かつての村名)
 案内板の説明がよくわからないのだが、明治7年(1874)、この地域に4つの小学校が作られた。ここもその一つ。当初は西尋常小学校という名だった(?)。同42年(1909)、村内の三つの小学校を曾呂尋常小学校に一本化したが、(通学バスのない当時)、子供の足で片道6kmも通うのは大変だということで、西尋常小学校の校舎は分教場となり、この近くの子は、4年生まで分教場、5年生から本校に通った。この建物もその頃に造られた。と、およそこのようなことらしい。
 ところで、年配の方なら、水田三喜男(みずたみきお、1905〜76)の名を覚えておられるのではないだろうか。額に如来の白毫のような丸い瘤のある、人の良さそうな風貌も忘れがたい。首相にはならなかったが、大蔵大臣を7度務めた。城西大学の創立者としても知られる。
 その水田氏が幼い時に通った分教場がここなのである。
 分教場の建物は、昭和42年(1967)に役目を終えたが、壊されずに残った。
 しかし、現況はひどいものである。窓は壊れ、床も壊れ、立ち入るのは危険な状態と言っていい。
 その一方で、人口3万人台の鴨川市の財政状況を想像すると、修理費の捻出は簡単ではなさそうだ。
 このまま朽ちるのを待つより仕方がないのだろうか。
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