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画像:子ノ社のケヤキ_1

名称 子ノ社のケヤキ (ねのしゃのけやき)
名称の典拠 なし
樹種 ケヤキ
樹高 25m(注1)
目通り幹囲 5.6m(注1)
推定樹齢 200〜299年(注1)
所在地の地名 長野県茅野市北山字芹ヶ沢
 
〃 3次メッシュコード 5438−01−38
 
〃 緯度・経度 北緯36度01分50.8秒
           東経138度13分30.7秒
天然記念物指定 なし
撮影年月日 2006年4月9日

注1)環境庁「日本の巨樹・巨木林 甲信越・北陸版」による





 国道152号(大門街道)を茅野から上田に向かうとき、芹ヶ沢交差点の少し手前で正面に見えるケヤキ。
 ケヤキにとって、国道は斜面の高地側。車窓から見える印象よりも、実際はもっと太い。
 幹の国道側は、縦に大きく裂け目が走っている。それを金属板で覆って雨水の浸入を防いでいる。
 樹勢は悪くなさそうだから、金属板も一定の良い役割を果たしていると思われるが、そこに大きく「芹ヶ澤区」の文字が記されていたのには驚いた。
 文字があろうと無かろうと、ケヤキに影響するわけがない。ならば、せっかくだから、地名表示をしておけば、通行する人の役にも立つだろう。一石二鳥だ。そう考えたのだと思われる。
 ここから先は、要は人それぞれの感じ方ということになるだろうが、どうも私にはしっくり来ない。私も、自然科学を人に教える仕事をしてきて、それなりに合理的な考え方は身につけてきたつもりなのだが。
 ケヤキに心の動きがあるはずはなく、全ては人間が己れの感情を移入しているだけではある。しかしこれは、ケヤキの生命に対する感じ方の問題だと思う。
 私には、このケヤキは単なる柱には思えない。季節が来れば新芽を伸ばし、木陰を作り、また葉を褐色に染めて地に返す。健気な生命活動が愛おしい。
 もちろん、前述のように、金属板に文字を記したからとて、それを微塵も妨げていないことは百も承知している。しかし、そこに、およそ生命というものに対する尊敬の念が籠もっていないことだけは確かなように思えてしまうのである。
 
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