ページタイトル:乳出の大イチョウ 当サイトのシンボル

画像:乳出の大イチョウ(幹と並ぶ)


画像:乳出の大イチョウ(遠景)
名称 乳出の大イチョウ (ちちでのおおいちょう)
名称の典拠 天然記念物指定名称
樹種 イチョウ
樹高 40m(注1)
目通り幹囲 7.4m(注1)
推定樹齢 伝承1200年(注1)
所在地の地名 愛媛県喜多郡内子町中川(注2)
 〃 3次メッシュコード 5032−26−87
 〃 緯度・経度 北緯33度34分31.7秒
           東経132度50分26.6秒
愛媛県指定天然記念物(1949年9月17日指定)
撮影年月日 2013年5月17日

注1)環境庁「日本の巨樹・巨木林 中国・四国版」による
注2)2005年1月1日、旧「内子町」を含む2郡3町が合併して新「内子町」誕生。旧行政区は上浮穴郡小田町





 小田川右岸、県道211号(美川小田線)沿いに三島神社が鎮座する。
 参道石段脇に大イチョウが立っている。
 県天然記念物に指定されたのは昭和24年(1949)。敗戦から4年後のことだ。日本中、まだ無謀な戦争による疲弊から脱し切れていない頃、何の腹の足しにもならぬ文化財指定である。それには一種の決断が必要だったことだろう。
 しかし、暗い時代だからこそ、また、従来の価値観が大きく混乱して、ある意味、きわめて現実的な時代だったからこその指定だったのではないかとも思われる。せっかく戦争の災禍を免れ得たのだ。しっかり後世に伝えねばならないとの思いもあっただろう。
 空間的にも時間的にも部外者の私ではあるが、この早い指定に、心から拍手を送りたい。
 話が離れすぎてしまった。イチョウに戻ろう。
 大イチョウにはしばしば気根が生じる。垂下する気根を乳房に見立て、母乳祈願の信仰と結びつくこともよくある。ここもそうだったようで、それがイチョウの名になった。
 当地では、気根の先端を削り、煎じて飲んだもののようだ。先端を失った気根が何本も見られる。
 粉ミルクが登場する前の話である。
 
ボタン:愛媛県の巨木リストに戻る ボタン:トップページに戻る