ページタイトル:鍋のおがたま 当サイトのシンボルマーク

画像:鍋のおがたま


画像:鍋のおがたま_2
名称 鍋のおがたま (なべのおがたま)
名称の典拠 天然記念物指定名称
樹種 オガタマノキ
樹高 20m(注1)
目通り幹囲 4.5m(注1)
推定樹齢 300年以上(注1)
所在地の地名 鹿児島県志布志市伊ア田鍋(注2)
 〃 3次メッシュコード 4731−20−22
 〃 緯度・経度 北緯31度31分35.6秒
           東経131度01分23.6秒
志布志市指定天然記念物(1977年4月21日指定)
撮影年月日 2018年3月22日

注1)環境庁「日本の巨樹・巨木林 九州・沖縄版」による
注2)2006年1月1日、曽於郡内の3町が合併して志布志市誕生。旧行政区は曽於郡有明町





 鍋の集落は、西を走る国道269号と東を走る県道63号(志布志福山線)の中間くらい。県道沿いの伊崎田中学校から見れば、西方に2.7kmほど。
 集落の中央付近に伊崎田鍋公民館がある。その奥にはゲートボール場もあって、住民の憩いの場の一つだ。左図のオガタマノキは、公民館の建物の脇に立つ。
 幹に注連縄がまかれている。根元には御幣も。オガタマノキは、道祖神を祀るような思いで大切にされているのだろう。
 訪ねたとき、ちょうどゲートボールのゲームが終わったようで、数人の方々が談笑しながら出てこられた。昔流に数えれば私ももう古希を過ぎているのだが、みな私より年配のご様子。
 明るく朗らかな方々で、奇妙な形状の半鐘(左下図)について尋ねると、終戦後、使わなかった砲弾を加工して作ったことを教えてくださった。
 大戦末期の特攻というと知覧町の特攻基地がよく知られているが、ここから遠からぬ鹿屋(かのや)にも神風特攻隊の出撃基地があった。(これら以外にも各地に特攻基地があったが、鹿屋からの出撃回数が最も多かった)
 今の高校生くらいの若者が、片道分のみの燃料を積んだ飛行機で、爆弾を抱えて帰らぬ旅に飛び立った。それら若者のことを、今日の平和を享受する者が忘れてしまったのでは申し訳ない。
 忌まわしい戦争の記憶を留めるために、ここに吊るしてあるのだろうか。
 なお、全くの余談だが、お話を伺っている最中に、ちょうど正午を知らせる音楽が流れた。そのこと自体は各地でよくあることだが、音楽が昔流行ったポール・モーリアの「恋は水色」だったのにはびっくり。思わず顔がほころんでしまった。
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