ページタイトル:水門の種蒔桜 当サイトのシンボルマーク

画像:水門の種蒔桜_1

画像:水門の種蒔桜_2
名称 水門の種蒔桜 (みずかどのたねまきざくら)
名称の典拠 「福島県桜めぐり
樹種 エドヒガン
樹高 不明
目通り幹囲 4.7m(注1)
推定樹齢 不明
所在地の地名 福島県南会津郡下郷町澳田(いくた)字中家平(なかいえだいら)
 〃 3次メッシュコード 5539−77−22
 〃 緯度・経度 北緯37度16分14.2秒
           東経139度53分52.3秒
天然記念物指定 なし
撮影年月日 2025年3月21日

注1)地表面から1.3mの高さで実測





 会津鉄道弥五島(やごしま)駅の北東約800m。阿賀川(あががわ)右岸段丘上に広がる水田の川側の縁に共同墓地があって、そこに左図の桜が立っている。
 桜の近くに白壁の建物があったので、地蔵堂か阿弥陀堂か、いずれにしろ何か仏様を安置する御堂だろうと中を覗いてみたが、がらんとしたコンクリートの空間の中央に、深さ1m弱の四角い窪みがあるだけ。どうも仏堂ではなさそうだ。掲げられた扁額には「籠堂」と書いてある。「こもりどう」と読むのだろうか。
 近くで農作業をしておられたご婦人に尋ねて、その正体がわかった。
 近年になるまで、この墓地では土葬が普通だったそうである。火葬に比べ、土葬では大きな深い穴を掘らなくてはならない。ここは穴掘り人たちの休憩場所として使われていたというのだ。寒い季節には、中央の窪みで火でも焚いて暖を取ったものだろうか。
 若い頃に読んだ梶井基次郎の短編小説「櫻の樹の下には」の冒頭の一文が思い浮かんだ。『櫻の樹の下には屍体が埋まつてゐる!』。
 この桜の下には、想像上の一人ではなく、実際に多くの数の屍体が埋まっているのだ!
 訪ねた時は満開が過ぎ、花は少々色褪せ気味だったが、そのことよりも、桜が弱りつつあるようようなのが気がかりである。
 なんとか元気を取り戻してもらいたいものだ。
ボタン:福島県の巨木リストに戻る ボタン:トップページに戻る