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画像:弥勒寺裏山のスギ

画像:弥勒寺裏山のスギ(幹と並ぶ)

画像:弥勒寺中峰堂の大天狗面
 弥勒寺鎮守堂(中峰堂)拝殿内部
名称 弥勒寺裏山のスギ
    (みろくじうらやまのすぎ)
名称の典拠 なし(注1)
樹種 スギ
樹高 不明
目通り幹囲 6.3m(注2)
推定樹齢 不明
所在地の地名 群馬県沼田市上発知町
 
〃 3次メッシュコード 5539−00−95
 
〃 緯度・経度 北緯36度45分07.5秒
           東経139度03分48.0秒
天然記念物指定 なし
撮影年月日 2006年10月28日


注1)すぐ隣に沼田市名木百選に選定された「弥勒寺裏山のフジキ」がある。その名前をまねて名付けてみた
注2)高地側から高さ1.3mの幹囲を実測





 曹洞宗の名刹、迦葉山竜華院弥勒寺の裏山に立つ大杉。駐車場から上部が見えるスギを訪ねて行ったら、こんなに立派なスギだった。
 地上3〜4mで3幹に分かれている。幹と幹の接合部分が異様に膨らんでいるので、あるいは融合木かも知れない。
 鎮守堂脇の中雀門をくぐり、迦葉山登山道を登る。大杉は、登山道の近く。というか、スギの根元を通る迂回道もあり、今はこちらを通る方が普通のようだ。
 スギのすぐ下には、中興大澤徳龍禅師の供養塔が設置されている。伽藍を見下ろすようなこの位置で、今も見守っていて欲しいということなのだろうか。大杉とは、何か関係があるのだろうか。
 弥勒寺は、嘉祥元年(848)、桓武天皇の皇子葛原親王が、慈覚大師円仁を開山として開いたと伝える古刹。迦葉山全体を境域とする大寺である。当初は天台宗だったが、康正2年(1456)、天巽慶順禅師が入山して曹洞宗に改めた。
 この天巽禅師に、中峰なる童子が随身してきた。その後もずっと禅師に従い、伽藍の造営から布教に尽くしたが、年齢を経ても、老いることがなかったという。
 禅師の引退にあたり、中峰は、自分が迦葉尊者の化身であると告げ、今後は背後の山から衆生を見守る旨を告げて去った。人々は中峰を天狗として敬った。
 弥勒寺には、そんな伝承が伝わっている。(神奈川県の名刹大雄山最乗寺にも同様な伝承がある。自然環境もよく似ている)
 中峰堂の拝殿内部に大きな天狗面が納められている。最大のものは、顔の長さ6.5m、鼻の高さ2.8m。昭和14年(1939)、戦勝を祈願して、商工会有志が奉納したものである。傍らには「日本一の大天狗面」と記した幟が添えられてあった。
 今は信仰よりも森林浴、健康ウォークなどの目的で、迦葉山に登る人の方が多いと思われる。
 私もその一人だ。中峰大薩□(「土」扁に「垂」)が梢で休んだかも知れぬ大杉とツーショットで喜んでいる。信仰心も薄い。が、山を汚さぬ限り、笑顔で許してくださるのではないだろうか。
 
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