ページタイトル:松崎の観音桜 当サイトのシンボル

画像:松崎の観音桜

 観音桜と水車小屋
名称 松崎の観音桜 (まつざきのかんのんざくら)
名称の典拠 なし(注1)
樹種 エドヒガン
樹高 20m(注2)
目通り幹囲 4.5m(注2)
推定樹齢 1000年(注3)
所在地の地名 岩手県遠野市松崎町松崎
 〃 3次メッシュコード 5941−04−33
 〃 緯度・経度 北緯39度21分49.8秒
           東経141度32分25.8秒
天然記念物指定 なし
撮影年月日 2024年4月18日

注1)樹名板には「観音桜(いぬ桜)」とあったが、この桜以外にも各地に「観音桜」がありそうなので、区別するため地名を冠した
注2)環境庁「日本の巨樹・巨木林 北海道・東北版」による
注3)上記樹名板による





 遠野の名がなんとなく郷愁を誘うように思うのは、日常のマンネリから離れた「遠い野」への憧れのほかに、柳田國男(やなぎたくにお、1875〜1962)著「遠野物語」の影響が大きいのではないだろうか。
 地元の方々も、遠野物語が描く世界に親しみと誇りを持っておられるようで、遠野市内を移動しているとそこかしこで「遠野物語」に出会う。
 ここ松崎もその一つ。
 出版に先立つこと約10ヶ月、柳田國男は明治42年(1909)8月、ここ松崎から、その名も意味ありげな忍峠(しだとうげ)を越えて附馬牛(つきもうし)に向かった。
 馬での旅だったらしい。風景を肌で感じつつ、そのときの様子を、『附馬牛の谷へ越ゆれば早池峰(はやちね)の山は淡く霞み 山の形は菅笠のごとく また片かなのヘの字に似たり』と書いている。(案内板より)
 忍峠の松崎側入口に道祖神があって、そこから160mほど西の三叉路に「観音桜」と呼ばれるエドヒガン古木が立つ。
 観音桜の名は、近くの松崎観音堂に因むのだろうが、環境省データベースによれば観音堂の桜ではなく私有物の桜のようだ。(見学自由)
 ところで、上記のように樹名板に「いぬ桜」とあり、また遠野市公式ウェブサイトの遠野遺産紹介ページでは「イヌザクラ」とされているので、誤認される方もおられるのではないだろうか。しかし、樹種で言えばこのサクラはイヌザクラでなくエドヒガンである。(一度でもイヌザクラの花を見たことがあれば間違うことはないと思うのだが…)
 柳田國男がここに立ち寄ったとしても、残念ながら、8月では桜に目を向けることもなかったことだろう。
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