ページタイトル:松崎の大楠 ロゴ:人里の巨木たち

画像:松崎の大楠

画像:松崎の大楠(全景)

画像:松崎の大楠_2
名称 松崎の大楠 (まつさきのおおくす)
名称の典拠 現地の案内板(注1)
樹種 クスノキ
樹高 28m(注2)
目通り幹囲 13.0m(注2)
推定樹齢 伝承1000年(注2)
所在地の地名 長崎県島原市有明町大三東甲(おおみさきこう)(松崎)(注3)
 〃 3次メッシュコード 4930−12−97
 〃 緯度・経度 北緯32度49分58.5秒
           東経130度20分41.5秒
長崎県指定天然記念物(1958年6月5日指定)
撮影年月日 2015年3月24日

注1)長崎県教育委員会と島原市教育委員会が連名で設置(設置年月不詳)。ただし天然記念物指定名称はこれと異なり、「有明町の大樟」
注2)環境庁「日本の巨樹・巨木林 九州・沖縄版」による
注3)2006年1月1日、島原市に合併。旧行政区は南高来郡有明町





 雲仙岳(うんぜんだけ)は、島原半島中心部に位置するいくつかの山の総称である。かつては普賢菩薩から名前をもらった普賢岳(ふげんだけ、1369m)が最高峰であった。
 雲仙普賢岳の名から、平成3年(1991)6月3日の大火砕流を思い出す人も多いのでなかろうか。火山学者や報道関係者、防災関係者など、災害に関するプロとも言えそうな多くの人たちの生命を奪った火砕流は、大方の予想をはるかに超えるものであった。
 その後、大噴火は収まり、普賢岳の中腹にできた新しい山は平成新山(へいせいしんざん、1483m)と名付けられ、長崎県最高峰となった。
 考えてみれば、国土の地質学的な長い時間の中で、これまでに、この幾層倍も大規模な噴火が複数回起きたとしても不思議ではない。グーグルアース等を利用して、高い上空から島原半島を眺めてみると、半島全体が雲仙一帯の火山活動によって出来たようにも思えてくる。
 特に半島の北半分では、火山堆積物が積もった結果、なだらかな傾斜角で海に向かって傾く斜面を、海岸線に直角に川が浸食し、幾つもの小さな谷が等間隔で平行に並ぶ現在の地形を作ったように思われる。
 標記の大クスが立つ台地周辺の地形も、それに当てはまる。
 当然ながら、家々は、水害の心配が少ない台地上に作られ、そこに集落が出来る。松崎もそんな集落の一つ。
 クスノキは松崎集落内、あるお屋敷の庭に立っている。普通の感覚で見れば決して狭いお屋敷ではないのだが、何としてもクスノキが大きすぎる。少々窮屈そうな印象は否めない。
 根元は窮屈でも、樹冠は立派である。台地上に立つことでもあり、少し離れた場所からも、その姿をはっきり認めることが出来る。
 こんな風に家々が混み合う住宅地に立つ巨木は、刈り込まれて、樹冠を小さくされることが少なくない。
 これだけ大きな樹冠を維持できているということは、クスノキ自体の樹勢の良さもさることながら、地元の人たちから大切にされている証左だと思われる。
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