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左手(奥)の個体の方が大きい 境内入口のケヤキ ↑↓ |
名称 真砂町のスギ (まなごまちのすぎ) 名称の典拠 なし 樹種 スギ 樹高 46m(注1) 目通り幹囲 5.2m(注1) 推定樹齢 不明 所在地の地名 石川県加賀市山中温泉真砂町(注2) 〃 3次メッシュコード 5436−13−96 〃 緯度・経度 北緯36度09分57秒 東経136度26分59秒 天然記念物指定 なし 撮影年月日 2007年11月17日 注1)2000年の環境省フォローアップ調査による。(「奥多摩町日原森林館」より一部データをダウンロード可能) 注2)2005年10月1日、加賀市に合併。旧行政区は江沼郡山中町 九谷大橋の手前で県道153号(我谷今立塔尾線)と別れ、大聖寺川に沿ってどんどん南下する。この道は小大日山を経て大日山(1368m)に至る登山道の入口まで通じている。 やがて、道は未舗装路となり、セダンタイプの乗用車にとって走りづらい道となるが、ゆっくり終点まで進む。 小春日和の晴天の土曜とあって、10台弱が駐車可能な終点駐車場は、ほぼ満杯状態だった。 目指す天照皇大神社は、登山道に沿ってすぐそこ。神社の手前で沢の流れが合流し、社地はいわば小さな流れに突き出た岬のよう。 まず目通り5m弱のケヤキが迎えてくれる(中・下図)。見上げると、色づいた葉が陽光を受けて光っている。 スギは社殿横の土手の上に立っているようだ。 近くまで行って、驚いた。屋根のすぐ上から立ち上がっているため、高い土手と見えたものが、実はそうでなかった。建物がすっかり崩れて、屋根組みが地面の上にそのまま乗っていたのだ。 よく見れば、そんなに粗末な屋根ではない。こんな屋根をもつ建物が、そう簡単に崩れ落ちるとは思えない。しかも、崩壊は古い過去のことではなさそうだ。 帰途、離村の事実を記した文章を見つけて、ことの顛末が理解できた。以下に全文を引用しよう。 『つぶやき/南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏/宮本のじ(原文は「志」に濁点)う婆さんがそのあとで/「死ぐなら夏死げ/アブ泣く蚊泣く/ホタル火灯す/セミお経あげる」/つぶやいていた。//雪ふかい北国に住む人々の願いは、夏、死ぐ事であった//この真砂も平成十年十月/神、仏とともに、人びとは/この土地を後にした』 駐車場近くには、道路脇に樹木のない水平面が数ヶ所見られる。この一つ一つに、山深い地に住む人々の生活があったのだ。 神様も一緒に引っ越した、とある。 引っ越すことのできない木々たちだけが、人々の心を受け継いで、昔の聖域を守っているのだった。 |
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