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画像:光泉寺の公孫樹

画像:光泉寺の公孫樹(遠景)
名称 光泉寺の公孫樹 (こうせんじのいちょう)
名称の典拠 天然記念物指定名称
樹種 イチョウ
樹高 28m(注1)
目通り幹囲 6.1m(注1)
推定樹齢 400年(注2)
所在地の地名 和歌山県東牟婁郡古座川町三尾川(下地)
 〃 3次メッシュコード 5035−25−54
 〃 緯度・経度 北緯33度33分05.0秒
           東経135度41分03.1秒
古座川町指定天然記念物(1986年10月9日指定)
撮影年月日 2014年3月19日

注1)環境庁「日本の巨樹・巨木林 近畿版」による
注2)光泉寺が発行するパンフレットによる





 国道371号を内陸に向かうと、息を呑むほどの大岩壁「古座川の一枚岩」(国指定天然記念物)の先4kmほどの地点で、三尾川(みとがわ)が本流の古座川に合流する。
 大イチョウの曹洞宗古傳山光泉寺は、合流点から1kmほど上流の三尾川左岸に位置する。
 訪ねたのは朝の8時頃。3月の朝はまだ気温が低く、三尾川流域を覆う朝霧が残っていた。
 霧の向こうから、ぼんやり浮かび上がってきたときのイチョウの美しい姿と、間近に見るおどろおどろしい姿のギャップに戸惑ったが、これがイチョウの面白いところでもある。どちらの姿も捨てがたい。
 それにしても、すばらしい気根(乳柱)の発達ぶりである。長いものは優に2m以上ありそうだ。
 これだけ気根が発達すると、通例は「乳授け」の伝承を生むものだが、ここでは「乳授け」でなく、「子授けイチョウ」と呼ばれている。
 江戸時代末期の江住(えすみ)の医師日下俊斎(くさかしゅんさい)に関する伝承があるという。
 あるとき、畑の作物の害になるとして、村人がこのイチョウを伐採しようとしたことがあった。そのとき、イチョウの精が娘の姿となって俊斎の夢枕に立ち、伐らぬよう村人に説いてほしいと懇願した。早速三尾川に駆けつけた俊斎は村人を説得。尊敬する俊斎の頼みでは、村人は聞かざるを得ない。おかげで銀杏は伐られることなくすんだ。イチョウの精の感謝の気持ちからだろうか、周囲の畑では作物がよく実るようになり、子のない夫婦が気根に触れつつ一心に願えば、子供を授けてくれるようになったという。(この話は、一部脚色されて、「まんが日本昔ばなし」で放映されたこともあるようだ)
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