ページタイトル:河内の大スギ サイトのシンボル

画像:河内の大スギ(幹と並ぶ)

画像:河内の大スギ_1

画像:河内の大スギ_2
名称 河内の大スギ (こうちのおおすぎ)
名称の典拠 天然記念物指定名称
樹種 スギ
樹高 40m(注1)
目通り幹囲 11.5m(注1)
推定樹齢 300年以上(注1)
所在地の地名 静岡県沼津市西浦河内
 
〃 3次メッシュコード 5238−36−88
 
〃 緯度・経度 北緯34度59分16.7秒
           東経138度51分12.2秒
静岡県指定天然記念物(2002年3月指定)
撮影年月日 2009年2月15日

注1)環境庁「日本の巨樹・巨木林 東海版」による





 沼津市街地からは駿河湾を隔てて対岸にあたる伊豆半島北西部にこの大杉が立っている。
 場所は金冠山(816m)北東斜面。周囲はスギの人工林だが、大杉の周りだけ斜面が切り開かれている。
 林道の途中で車を置いて歩く。100mほど離れた路肩に、車2台ほどの駐車スペースがある。無理をすれば、大杉の近くまで車を乗り入れることも出来るが、林道から歩いても、大杉まで10分とかからない。無理することはない。
 目通り10mともなると、その巨大さに圧倒される。
 地上約3.5mで7幹に分かれている。分岐している辺りの方がむしろ幹囲は大きいわけで、印象の上では、データよりもさらに太い。
 傍らに、自然石の石碑がある。昭和16年(1941)の建立で、「老杉之記」と題されている。
 「養山強国」「世界の山林国を以て…(後略)」と始まるのだが、摩滅が進んでいて、かなりの部分が読めない。
 昭和16年といえば、真珠湾攻撃の年である。碑文の断片からも、当時の世相が感じられる。
 いったん戦争が起きると、戦争のためには、森の木々にも、「お国のため」に犠牲になってもらうという思想が優勢になるものだ。今次大戦でも、各地で、巨木を含め多くの木々が伐採された。
 しかし、「老杉之記」の碑名から想像するに、あるいは、碑文は、開戦が近いなかにあって、老杉を讃え、保護を第一に訴えていたのかもしれない。磨り減ってよく読めなかったのが、重ね重ね残念なことである。
 碑文の内容については言及できないが、いずれにしろ、こんなに立派な大杉が戦争の犠牲にならなくてよかった。
 
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