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ハリネズミのような枝
右から伸びてきた枝が地に着き、根付いている |
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名称 切山の大スギ (きりやまのおおすぎ)
名称の典拠 現地の案内板(注1)
樹種 スギ
樹高 38m(注2)
目通り幹囲 8.3m(注2)
推定樹齢 伝承1000年(注2)
所在地の地名 愛知県岡崎市切山町(日影)(注3)
〃 3次メッシュコード 5237−42−19
〃 緯度・経度 北緯35度00分51.3秒
東経137度22分00.7秒
愛知県指定天然記念物(1968年11月4日指定)
撮影年月日 2007年2月3日
注1)岡崎市教育委員会が設置(設置年月不詳)
注2)環境庁「日本の巨樹・巨木林 東海版」による
注3)2006年1月1日、岡崎市に合併。旧行政区は額田郡額田町
旧額田町と旧下山村の境界近く、三巴小学校の東400mほどの位置に立つ大杉。国道301号からは南100mほど。
見た感じ、8.3mまでの目通りはないように思ったが、独特な姿の独立木であり、強いインパクトを与えられた。
ご覧のように、ハリネズミのように枝をびっしり纏っている。頂部ではあらゆる向きに万遍なく枝が出ているが、途中までは南側に偏り、主幹の北側には枝がない。
この枝がまた変わっていて、すべて付け根部分が盛り上がって、瘤状になっている。それに、主幹の表皮は滑らかなのにも拘わらず、枝では大きく捻れているものが多い。しかも、ヒョロッと伸びて下垂しているものだから、「枝垂杉」とでも呼びたくなるところだ。(しかし、枝の先端部は、下垂から反転して、ちゃんと上方に向かっている)
この姿を千手観音に喩えた歌人がいたようで、根元に石造の歌碑が設置されていた。「千の手をさしのべたまふ菩薩とも切山大杉の幹仰ぎみる」(近田三郎)。なるほど、と思う。
低く伸びた枝が1本、地について根付き、若いスギとなっていた(下図参照)。これはウラスギ(アシウスギ)の特徴である。しかし、私の知るウラスギたちとは、かなり樹形が異なっている。認識を新たにさせられた。
案内板によれば、むかし、白髪の老翁がこの地にやってきて、持参の杖を逆さまに挿して立ち去った。それが根付いてこの大杉になったとする伝説があるらしい。
「逆さまに」というのは、前述したように、このスギの枝垂れた様子を捉えたものであろうと思われる。 |
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