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鎌の切っ先がみな外を向いている |
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名称 鎌の宮神木 (かまのみやしんぼく)
名称の典拠 現地の石碑(注1)
樹種 タブノキ
樹高 5m(注2)
目通り幹囲 5.5m(注2)
推定樹齢 不明
所在地の地名 石川県鹿島郡中能登町金丸字洲端(注3)
〃 3次メッシュコード 5536−36−37
〃 緯度・経度 北緯36度56分41秒
東経136度50分03秒
鹿西町指定天然記念物(1960年3月12日指定)
撮影年月日 2007年11月18日
注1)鹿西町教育委員会と鹿西町文化財審議会が連名で設置
注2)環境庁「日本の巨樹・巨木林 甲信越・北陸版」による。ただし、実際の幹囲はもっと細い
注3)2005年3月1日、鹿島郡内3町が合併して中能登町誕生。旧行政区は鹿島郡鹿西町(ろくせいまち)
JR七尾線金丸駅の北西300mほどに鎮座する鎌宮諏訪神社には、鎌打ち神事が行われるタブノキの巨木がある。と言っても、もう枯木となってしまったが。
すでに内部は朽ちてしまったようで、幹の根際には矩形の開口部がある。中に何か納められているのだろうか。
幹の表面に多数のイボイボが見られる。これは、打ち込まれた鎌が幹の肥厚に伴って体内に取り込まれた痕跡である。いったい何本の鎌を内包しているのだろうか。
すぐ隣に、目通り2mほどの若いタブノキが立ち、現在はこちらが神事の主役のようだ(下図はそちらの幹)。
案内板によれば、毎年7月27日(近年は8月)、風祭の祭典後、稲穂と白木綿をつけた2挺の鎌を神木に打ち付ける。
切っ先を外側に向けているのは、悪鬼払いを連想させる。暴風、雷、竜巻などの自然災害を鎮め、豊作を祈願する儀式だと思われる。
現役の神木の方も、打ち付けられた鎌のうち、いくつかはもう見えなくなりそうだ。また、近い将来のため、神木の近くではタブノキの若木が育てられている。
ところで、「二十七日お諏訪の祭、雨が降らねば風が吹く」なる俚諺が伝わっているそうだ。悪鬼もそう易々とは降伏されないということなのだろう。
訪問時は11月。祭礼日ではなかったが、風雨を司る神のご機嫌は芳しくなかったようだ。
神社を後にしてしばらくたってから、大粒の霰に見舞われてしまった。 |
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