|
|
↑左がムクノキ。クスの根の下にムクノキの根が割り込んでいる |
|
|
名称 隠家森 (かくれがのもり)
名称の典拠 現地の案内板(注1)
樹種 クスノキ
樹高 21m(注2)
目通り幹囲 18.0m(注2)
推定樹齢 伝承1500年(注2)
所在地の地名 福岡県朝倉市山田字恵蘇宿(注3)
〃 3次メッシュコード 5030−06−30
〃 緯度・経度 北緯33度21分57.5秒
東経130度45分14.9秒
国指定天然記念物(1934年12月28日指定)
撮影年月日 2009年8月1日
注1)旧朝倉町教育委員会が設置(設置年月不詳)
注2)環境庁「日本の巨樹・巨木林 九州・沖縄版」による
注3)2006年3月20日、1市2町が合併して朝倉市誕生。旧行政区は朝倉郡朝倉町
「森」の名がつけられているが、ただ1本の木である。
一本だけで、小さな森に匹敵するという意味かと思っていたが、案内板によればそうではなく、実際、ここには森があったのだという。この大クスノキも、森の一員であった。今は他の構成員がすべて失われてしまったため、このクスノキを「隠家森」と呼ぶようになったと伝承されているのだという。
名の隠家(かくれが)は、次のような理由による。
昔、斉明天皇(在位655〜61)が朝倉の行宮におられたとき、北には刈萱関(かるかやのせき)、南にはここ恵蘇宿に朝倉関(あさくらのせき)があったという。関所では通行する人物の素性が調査されたのだろう。何らかの事情で、昼間堂々と通ることのできない者は、夜になるまでこの森に隠れ、闇に紛れて通ったということである。
環境省のフォローアップ調査では、全国第8位のクスノキ巨木とされている。しかし、残念ながら、地上4mほどで肝心の中央部が失われている。
そうは言っても、なかなか大きな樹冠を形成している。この樹冠を支えているのが、横に伸びた2本の大枝だけであることに驚く。まだたくさんの大枝があった時の樹冠は、いったいどれだけ大きかったのだろう。
下図に見える一番右側の1本は、実はムクノキである。
両者の根の様子を観察すると、クスの根の隙間に落ちたムクノキの種が芽ばえて大きくなったのではなく、離れて生まれた2本が成長して、互いの領分を主張し合っているように見える。
若いムクノキの方が、少々押され気味のようだ。 |
|