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名称 蒸汽の桜 (じょうきのさくら)
名称の典拠 現地の案内板(注1)
樹種 エドヒガン
樹高 不明
目通り幹囲 4.6m(注2)
推定樹齢 90年〜100年(注3)
所在地の地名 福島県伊達郡桑折町上郡字前田
〃 3次メッシュコード 5640−64−02
〃 緯度・経度 北緯37度50分27.5秒
東経140度31分44.9秒
天然記念物指定 なし
撮影年月日 2021年4月6日
注1)設置者名は書かれていないが、桑折町が設置したと思われる。(説明の末尾に「桑折町教育委員会 監修」とある)
注2)幹が分岐する点の下で全体の幹まわりを実測(ほぼ高地側地表面の高さ)
注3)案内板の説明に「三春の滝桜を接ぎ木して育て、船着場跡に昭和10年(1935)ごろに植樹した」とある
左図の桜は、耕作地の中を湾曲しながら連なる土手の上に立つ。地形図や航空写真を見ると、今は阿武隈川から400m以上離れているが、かつては蛇行する阿武隈川がこの下を流れていた時代もあったことが分かる。
汽車や自動車が利用されるようになる前、舟運は輸送手段として重要であった。
明治17年(1884)頃、当地上郡(かみごおり)の大槻儀左衛門、八巻清七らが共同で船会社を設立、横浜から外輪蒸気船を購入して福島〜荒浜(宮城県亘理町)〜横浜間に就航させた。しかし思うように収益が出ず、阿武隈川の洪水で船を流失する事故も重なって、わずか数度の運航で終わってしまったそうである。
福島〜荒浜の内陸部分は阿武隈川を利用した。その船着き場がここにあったらしい。現在、阿武隈川の河道は変わってしまったが、『この古い歴史の跡をとどめようと』地元有志が昭和10年(1935)頃にこの桜を植えたとのこと。それが「蒸汽の桜」と呼ばれる所以である。(上記案内板による)
根元近くで3幹に分かれており、幹の一本ずつを見ればそんなに太くない。従って、いわゆる「大桜」ではなく、歴史を偲びつつ鑑賞する桜である。 |
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