ページタイトル:浄土寺のケヤキ 当サイトのシンボル

画像:浄土寺のケヤキ(幹と並ぶ)


画像:浄土寺のケヤキ
名称 浄土寺のケヤキ (じょうどじのけやき)
名称の典拠 天然記念物指定名称
樹種 ケヤキ
樹高 28m(注1)
目通り幹囲 7.5m(注1)
推定樹齢 不明
所在地の地名 熊本県阿蘇市一の宮町坂梨(注2)
 〃 3次メッシュコード 4931−31−12
 〃 緯度・経度 北緯32度56分10秒
           東経131度08分53秒
阿蘇市指定天然記念物(1977年1月22日指定)
撮影年月日 2011年8月4日

注1)環境省巨樹データベース(2000年フォローアップ調査)による
注2)2005年2月11日、阿蘇郡内の2町1村が合併して阿蘇市誕生。旧行政区は阿蘇郡一の宮町





 JR豊肥本線願成就トンネルの西方、標高610mほどのところに曹洞宗鳳翔山浄土寺がある。
 平凡社「熊本県の地名」によると、元徳2年(1330)の史料に浄土寺の名が記されているらしく、開創はそれ以前に遡る古寺である。阿蘇社神宮寺の末寺であり、阿蘇神社造営などの際はたびたび料木を納めていたようだ。
 寺の東は、願成就トンネルが貫く山地。参道は西の福岡集落側に開いている。コンクリート舗装されているが、道幅が狭く、車では入ることが出来ない。(参道入口に案内表示あり)
 普段は訪れる人も少なく、参道を歩く人は少ないようだ。ところどころ苔生して滑りやすい場所もある。転ばぬよう注意しつつ歩いて、10分までかからなかったように思う。
 大ケヤキは、参道の最奥部、本堂の手前に立っていた。
 途中から2幹に分かれている。大枝の切断痕も多く、幹囲から想像する大きさよりも樹冠は小さい。しかし、元気に立っていてくれて、ホッとした。
 というのは、平成3年(1991)9月、このあたりを台風19号が襲ったからである。この台風は猛烈な風台風で、阿蘇山に於いて計測された最大瞬間風速は60.9m/s。時速220kmに相当する速さである。
 時速220kmで走るトラックの荷台に、立木を乗せたらどうなるか。
 幹囲が11mもあった国天然記念物「手野のスギ」の幹をへし折ったのもこの台風である。北西700mほどに鎮座する馬場八幡宮には、スギ(6.5m)、ヒノキ(6.3m)、ケヤキ(5.8m)の巨木があったが、それらも全て失われた。
 そんななかで、このケヤキは助かった。きっと、周囲の木々が守ってくれたのだろう。

※グーグルアースで確認して驚いた。谷はコンクリートの土留めで塞がれ、浄土寺があった場所はすっかり土砂で埋まっている。平成24年(2012)7月12日から数日にわたって降り続けた未曾有の豪雨で、阿蘇市が大きな被害を受けたことは知っていたが、大ケヤキも犠牲になったことは知らなかった。
 水害の後、阿蘇市ではさらに熊本地震でも大きな被害があった。両災害で亡くなった方々のご冥福を祈るとともに、阿蘇市の復興を祈念する。(2017.01.29追記)
 
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