ページタイトル:常椿寺のフジ 当サイトのシンボルマーク

画像:常椿寺のフジ

画像:生垣尚子句碑
 「禅寺の高きを渡る藤の風 尚子」
名称 常椿寺のフジ (じょうちんじのふじ)
名称の典拠 現地の案内板(注1)
樹種 フジ
樹高 25m(注2)
目通り幹囲 4.0m(注2)
推定樹齢 500年(注3)
所在地の地名 石川県鳳珠郡能登町宇出津(注4)
 〃 3次メッシュコード 5537−71−62
 〃 緯度・経度 北緯37度18分15.4秒
           東経137度08分59.6秒
石川県指定天然記念物(1961年9月29日指定)
撮影年月日 2018年5月20日

注1)能登町が設置(設置年月不詳)
注2)環境庁「日本の巨樹・巨木林 甲信越・北陸版」による
注3)上記案内板による
注4)2005年3月1日、2郡に跨がる3町村が合併して鳳珠郡能登町(ほうすぐんのとちょう)誕生。旧行政区は鳳至郡能都町(ふげしぐんのとまち)





 宇出津(うしつ)港の西側高台、能登町役場から直線距離で250mほどのところに、曹洞宗大樹山常椿寺がある。
 お寺の建物は斜面の途中のような場所に立地していて、境内南部、酒垂(さかたる)神社との間の樹林内に大フジがある。境内のフジだが、人工の藤棚の下で花を楽しむような庭園樹ではなく、タブノキに絡みついて登る野生のフジだ。
 天然記念物に指定されたのは訪問時の57年前。すばらしい巨木だったようだ。宮誠而さん撮影の往時の写真をご住職が見せて下さった。(同じ写真は大著「巨木学」にも載る)
 その大フジは、残念ながら、平成初期の台風19号の強風(※)で大きく倒壊、規模がすっかり小さくなってしまった。その際は、フジだけでなく、境内のイチョウの大枝が折れて近くの住宅の屋根を壊したほか、境内の建物に対しても、強風の被害は甚大だったようだ。(イチョウは伐採されていた)
 実を言うと、写真のフジは、「今はこちらの方が大きい」とご住職が案内して下さった、かつて最大だったフジとは別の株である。
 こちらだって十分に大きい。なかなか見事なものである。地を這う臥龍藤もある。
 訪ねたのは花の盛りをとうに過ぎた時期だったが、大フジの名残の花がまだ少しだけ咲き残っていた。お仕事の手を休めて案内して下さったご住職のお心遣いとともに、深く心に残った。

※)平成3年(1991)9月27日夜から翌28日の朝にかけて、台風19号は石川県輪島市で最大瞬間風速57.3mを記録している。恐らくその台風だろうと思われる。
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