ページタイトル:十五社の樟樹 ロゴ:人里の巨木たち

画像:十五社の樟樹(幹と並ぶ)


画像:十五社の樟樹(全景)


画像:十五社の樟樹
名称 十五社の樟樹 (じごせのくすのき)
名称の典拠 天然記念物指定名称(注1)
樹種 クスノキ
樹高 20m(注2)
目通り幹囲 14.0m(注2)
推定樹齢 600年以上(注3)
所在地の地名 和歌山県伊都郡かつらぎ町笠田東(かせだひがし)字拾五社
 〃 3次メッシュコード 5135−33−48
 〃 緯度・経度 北緯34度17分20.3秒
           東経135度28分30.2秒
和歌山県指定天然記念物(1958年4月1日指定)
撮影年月日 2014年3月25日

注1)かつらぎ町観光協会が設置した案内板では「十五社の楠」となっている。かつらぎ町内では、一般的にこちらの文字が用いられているようだ
注2)環境省巨樹データベース(2000年フォローアップ調査)による
注3)現地でいただいたリーフレットによる(クスノキを第一人称で説明。発行者名不詳。「かつらぎ町史」「広報かつらぎ」などを参考資料に作成されたようだ)





 和歌山県を代表する大クスノキ。案内板には「近畿一の大樹」とある。素晴らしいの一語に尽きる。
 クスノキが立つのは妙楽寺境内。今は小さな御堂が一つ残るのみだが、かつてはもっと多くの御堂があり、十五社明神もあったという。その近くに立っていたことから標記の樹名となったようだ。
 妙楽寺は、もうお寺の風貌を失ってしまったので、クスノキに会うためには、妙楽寺よりもむしろ笠田(かせだ)小学校を目標にするのがよいと思う。クスノキが立つのは小学校のすぐ北側だからだ。
 笠田小学校は妙楽寺(同校HPに載る沿革では楽寺とあるが、地番は妙楽寺と一致している)を仮校舎として明治8年(1875)に創立。以来、およそ140年に亘って児童が親しんできたクスノキでもある。
 佐藤春夫作詞になる校歌にもクスノキが取り上げられている。第2番の歌詞は「大樹の樟よ/わが庭よ/ちとせの命/貴しと/十五社の森の下かげは/至誠の児童集うなり」とある。こんな立派な大クスを「わが庭」とする児童たちを、大詩人佐藤春夫氏もきっと羨ましく思ったことだろう。
 大クスを見つけるのは容易だが、周囲の道が狭く、駐車場所に困った。クスノキの北に回ってうろうろしていたところ、近くのお店のご婦人が声をかけて下さり、自分の土地に車を停めさせて下さった。
 見学を終え、礼を述べて出発しようとすると、「ミカンはあるか」との問い。そして、各種のミカンをいっぱい詰めた大きなポリ袋をお土産に下さった。むしろ、こちらがお礼しなければならないのに、と遠慮したのだが、車のナンバーによって私が遠路の訪問者であることを知り、歓迎して下さったのだった。
 ミカンの袋も、温かいお気持ちも、ずっしりと重かった。
 上記のリーフレットも、そのご婦人からいただいたものである。
ボタン:和歌山県の巨木リストに戻る ボタン:トップページに戻る