ページタイトル:糸井の大カツラ 当サイトのシンボル

画像:糸井の大カツラ_1



画像:糸井の大カツラ(全景)

画像:糸井の大カツラ_2
名称 糸井の大カツラ (いといのおおかつら)
名称の典拠 現地の案内板(注1)
樹種 カツラ
樹高 36m(注2)
目通り幹囲 18.4m(注2)
推定樹齢 伝承2000年(注3)
所在地の地名 兵庫県朝来市和田山町竹ノ内(注4)
 〃 3次メッシュコード 5334−07−93
 〃 緯度・経度 北緯35度24分42.6秒
           東経134度55分14.4秒
国指定天然記念物(1951年6月9日指定)
撮影年月日 2010年10月15日


注1)旧和田山町が設置(設置年月不詳)
注2)環境庁「日本の巨樹・巨木林 近畿版」による
注3)上記とは別の案内板(環境省・兵庫県が連名で設置。設置年月不詳)による
注4)2005年4月1日、朝来郡内4町が合併して朝来市誕生。旧行政区は朝来郡和田山町





 大カツラは、出石糸井県立自然公園内に連なる鉄鈷山(かなとこやま。標高775m)、東床尾山(ひがしとこのおやま。839m)、西床尾山(にしとこのおやま。843m)の3山に三方を囲まれた谷底に立っている。
 カツラのすぐ横を、東床尾山の登山道が通っている。この道はまた、「近畿自然歩道」の一部でもあるようだ。と言っても、未舗装であることを苦にしなければ、カツラまでなら、自動車でも行ける。(冬期は通行不可のこともある)
 円山川の支流の一つ糸井川に沿い、北東の方角に向かって谷を遡る。竹ノ内集落を通り過ぎると、道はそのまま林道床尾線となる。(林道は舗装されているが、降雪があっても除雪されないので注意)
 「不動の滝」の横を通り過ぎて約1km、大カツラへの分岐点がある。
 そこからは約600mの狭い未舗装路。矢印が描かれた案内板には、現地の駐車スペースが狭いので、分岐点に車を置いて歩くよう記されてあったが、別の案内板には、「大カツラまで通行可能」とある。
 少し躊躇したが、訪れたのは平日の朝8時。他の方の迷惑になることもあるまいと、車をゆっくり走らせた。
 人が歩くより少し速い速度で上り坂を進んで行くと、間もなく、正面に大カツラが姿を現した。
 主幹のない、いわゆる千本カツラと呼ばれる樹形である。
 私たちが見るのは、密集したひこばえの外形である。そのひこばえが、みな行儀良く平行に伸びているので、とても端正な印象を受ける。カツラの周囲がきちんと整備されていることも、すっきり美しいカツラを際だたせている。
 横に回ってみると、幹の幅がずっと大きく見えると同時に、実は中央部がぽっかり空いていることもわかる。根回りの姿は、こちらから見た方が美しい。
 カツラは非常に水を好むため、地下水脈が浅いことも多く、各地の著名なカツラの根元に湧水が見られるケースも多い。
 そんな理由からだろうか。名僧がこのカツラに法衣を掛けて雨乞いをしたことが伝えられているようだ。当地の人からは「衣木(ころもぎ)」と呼ばれているという。
 また、古く、このあたりからは金が産出したらしい。各地に古い鉱山跡が残っている。カツラの近くには、「衣谷鉱山精錬所跡」がある。
 鉱山夫たちは、まだ主幹が聳え立っていた頃の大カツラを知っていたことだろう。
 
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