ページタイトル:糸姫の栃 当サイトのシンボル



画像:糸姫の栃_2

名称 糸姫の栃 (いとひめのとち)
名称の典拠 現地の案内板(注1)
樹種 トチノキ
樹高 24m(注2)
目通り幹囲 6.1m(注2)
推定樹齢 250年(注3)
所在地の地名 岐阜県郡上市高鷲町西洞(注4)
 〃 3次メッシュコード 5336−77−81
 〃 緯度・経度 北緯35度59分39秒
           東経136度53分36秒
郡上市指定天然記念物(1989年8月1日指定)
撮影年月日 2011年6月4日

注1)1990年2月に旧高鷲村教育委員会が設置。なお、文化財指定名称もこれに同じ
注2)「時間の輪」による
注3)旧高鷲村教育委員会が発行したパンフレットに「高鷲文化財ガイド」に「樹齢推定240年」とあった。それから訪問時までの時間経過を加味して250年とした
注4)2004年3月1日、郡上郡内の3町4村が合併して郡上市誕生。旧行政区は郡上郡高鷲村





 合併前の旧高鷲村教育委員会からいただいたパンフレットで、折立集落の近くに、環境省巨樹データベースにないトチノキがあることを知っていた。同パンフには、概略地図も載っている。いずれ訪ねてみようとは思っていたのだが、つい延び延びになってしまっていた。
 訪問計画を立てるにあたっては、上記の「時間の輪」を参考にした。過去数回の経験で、「時間の輪」の説明は正確かつ的確であることを知っている。その後、国道からでなく、東の方から折立まで立派な道ができたこともわかったが、「時間の輪」の説明通りに進むことにした。
 国道156号を北に向かい、道の駅「大日岳」手前の最初のヘアピンカーブの外側に開いた折立林道に入る。この道はほぼ等高線に沿って折立に通じている。狭いが、舗装はしてある。
 しばらく走ると、折立集落(と言っても、今は殆ど家がないが)の手前で谷川を渡る。長良川の源流、叺谷(かますだに)である。橋のすぐ横、左岸側に、上流に向かう道がある。そこからは徒歩。途中で小さな流れを横切るので、水量にもよるが、ゴム長に履き替えるのが無難だ。
 5分ほども歩いただろうか。叺谷の砂防堤から落ちる水音がだんだん大きくなってきた頃、右手斜面下部に、横に大きく腕を広げたトチノキが見えてくる。
 根元に見えるのはミツバチの巣箱? それとも、野生のミツバチ女王の捕獲装置? ミツバチの姿は見えなかったが、いずれにしても、トチノキの花の蜜と関係がありそうだ。訪問時はトチノキの開花時期と重なる。
 トチノキの背後、一段高いところはドドメキと呼ばれているらしい。ドドメキには、明治の初め頃、製糸工場があったという。近郷の少女たちが泊まり込みで働いていたのだろう。いつ頃、誰が名付けたか、その女工たちの名をもらったトチノキである。
 それから100年ほどが経ち、製糸工場もなくなり、トチノキの周囲はすっかり樹林に戻った。
 案内板が無ければ、このトチノキの姿から「糸姫」を想像することは困難だと思われる。
 
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