ページタイトル:鼬幣稲荷神社の神木 当サイトのシンボルマーク

画像:鼬幣稲荷神社の神木(全景) 名称 鼬幣稲荷神社の神木
    (いたちべいいなりじんじゃのしんぼく)
名称の典拠 なし
樹種 スギ
樹高 30m(注1)
目通り幹囲 5.0m(注1)
推定樹齢 不明
所在地の地名 岩手県花巻市石神町
 〃 3次メッシュコード 5941−00−58
 〃 緯度・経度 北緯39度22分58.7秒
           東経141度06分14.3秒
天然記念物指定 なし
撮影年月日 2017年5月9日

注1)環境省巨樹データベース(2000年フォローアップ調査)による





 東北自動車道花巻南インターチェンジの東南東約1.2km。花巻市総合福祉センターの南東に鼬幣稲荷神社が鎮座する。
 境内の案内板に、「鼬幣」という奇妙な名前についての説明が載っていた。
 ここはかつて鼬幣野という地名だったが、その名の由来を記した「二郡見聞私記」なる文書があるという。それには、当時の花巻郡代野々村宇右エ門に「われは稲荷なり」「下根子に垂迹せん」との夢告があったこと。その翌日、水垢離をしてから現地を訪ねてみると、石神五郎助が所有する川端の大石に白紙が一帳あったこと。それをイタチがくわえて西方に走り出したこと。後を追うと、白紙は御幣となり、イタチの姿がこの場所で消え去り、御幣のみが残されたこと等が記されているらしい。
 お稲荷さんの眷属とされるキツネにしろイタチにしろ、どちらも大切な米を食べるネズミを退治してくれる点では同じである。このあたりではキツネよりイタチを多く見かけたものか、くらいに想像していたのだが、見当違いだったようだ。
 どうもイタチベ(イ)という音にかこつけた創作伝承のような気もするが、今日まで伝わっているところを見れば、この話は周囲の人々から好もしく思われたのだろう。
 神木の大杉は拝殿のすぐ手前。
 頂部を失っているように見えるが、樹勢は良さそうだ。
 なお、余談だが、花巻の生んだ詩人宮沢賢治の友人で盛岡中学校同期の阿部孝(あべたかし。英文学者。高知大学長を務めた)氏は、この鼬幣稲荷神社の神主家の出身である。
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