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名称 井出八幡神社のタブノキ
(いではちまんじんじゃのたぶのき)
名称の典拠 なし
樹種 タブノキ
樹高 35m(注1)
目通り幹囲 6.5m(注1)
推定樹齢 不明
所在地の地名 山梨県南巨摩郡南部町井出
〃 3次メッシュコード 5238−63−99
〃 緯度・経度 北緯35度14分41秒
東経138度29分49秒
山梨県指定天然記念物(1970年10月26日、「井出八幡神社の社叢」として境内林全体を一括指定)
撮影年月日 2011年5月21日
注1)環境省巨樹データベース(1995年追調査)による
甲府盆地から駿河湾に注ぐ富士川は、赤石山脈と富士山の間を通らなければならない。そこでは、幅の狭い、長く続く谷を作った。
山梨・静岡県境付近は特に谷幅が狭く、井出のすぐ西で、幅約300m。そんなところに出来た集落だから、勾配の緩い場所を選んだとはいえ、井出集落全体がかなりの傾斜地である。
八幡神社は、その最上部。
正面参道を進むと、社殿のすぐ横に立つタブノキが目に入る。支柱も無く伸びる大枝の長さに驚く。
タブノキ以外にも巨木があり、なかでは道路脇のカゴノキ(4.5m)もなかなか良かった。4.2mのムクノキもある。
八幡神社の隣にお住まいの方にお話を伺ったところ、見慣れておられるせいか、タブノキの自慢話はなかったが、ケンポナシの話をして下さった。
境内には幹囲1m弱のケンポナシの木がある。
そのケンポナシは自分が植えたのだという。毎年、秋になると小学生が訪ねて来るので、ケンポナシの実を採って、食べさせてやる。そして、昔の話を聞かせるのだそうだ。郷土に親しむ校外学習プログラムの一環のようだ。
それが、昨年は来なかったそうで、採っておいたケンポナシはそのままになっているという。
「食べてみるかね?」と言われて、一つ頂戴した。もう干からびているが、かすかに干し柿のような甘みがある。「干しケンポナシ」は初めてだ、と言うと、どうせ捨てなければならないので、欲しければ持って行けということで、実のついた枝を一握り下さった。
果汁を失ったケンポナシだが、暖かい人情の味がした。 |
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