ページタイトル:指宿神社のクス 当サイトのシンボル

画像:指宿神社のクス(竹林内の個体)
 竹藪の一角に立つ(最大木?)

画像:指宿神社のクス(ビオトープ入口の個体)
 ビオトープ入口に立つ

画像:指宿神社のクス(拝殿に向かって左手)
名称 指宿神社のクス (いぶすきじんじゃのくす)
名称の典拠 指宿市天然記念物指定名称
樹種 クスノキ
樹高 31mほか(注1)
目通り幹囲 8.6mほか(注1)
推定樹齢 伝承700年(注1)
所在地の地名 鹿児島県指宿市東方
 〃 3次メッシュコード 4630−75−00
 〃 緯度・経度 北緯31度15分13秒
           東経130度37分25秒(注2)
鹿児島県指定天然記念物(2003年4月22日指定)(注3)
撮影年月日 2009年7月28日

注1)環境庁「日本の巨樹・巨木林 九州・沖縄版」による
注2)この位置は特定の個体を指すものでなく、境内のほぼ中央を示す
注3)まず、「指宿神社のクス八株」として、境内のクスノキ巨木8本が指宿市指定天然記念物となり(1969年11月3日指定)、その後2003年4月22日、「指宿神社の社叢」として、巨木に限らず、境内林全体が鹿児島県指定天然記念物となった





 慶雲3年(706)、この地に天命開別命(あめのみことひらかすわけのみこと。=天智天皇)を祀る葛城宮が創建された。
 のち、貞観16年(874)、開聞岳が噴火。開聞岳にほど近い開聞九社大明神(現枚聞神社)の神託により、そこに祀られていた神々は、噴火を避けて当地に避難。葛城宮は開聞新宮九社大明神と改称した。爾来、当社は指宿の総氏神「お新宮様」と親しまれてきた。
 藩主の尊崇も厚く、社殿の改修等はすべて藩費でまかなわれた。現社殿(市指定文化財)は弘化4年(1847)の築造。すべてクスノキによる建築である。(以上、案内板より)
 このように、天智天皇との関係を伝える神社だが、現在、裏手の社地にビオトープが作られつつある。ビオトープの名は「てんちの杜(もり)」。あめつちの天地かと思ったら、どうやら天智天皇の天智らしい。
 構想によれば、小さな水路を作り、「ホタルの小川」「水生動物観察の池」「昆虫の森」などを作るようだ。クスノキが繁る一角もある。
 全体に規模が小さく、果たしてうまくいくものか心配があるようにも思うが、途中で投げ出すことをせず、是非、成功させてもらいたいものだ。
 ビオトープの入口に立つ目玉が、中図の大クスノキだ。上記の旧環境庁資料には8.6mと8.5mの2本のクスノキが掲載されている。上図および中図のクスノキがこの2本だろうと思われる。
 ほかに、拝殿に向かって左手のクスノキ(下図)もなかなかのもの。これがデータにある7.7mの個体ではあるまいか。
 これらに次ぐ大クスもあり、境内は巨木の森の観を成している。
 閑静な、と書きたいところだが、クマゼミの騒音に出迎えられ、送られての訪問であった。自然が多く残っていることを喜ぶべきなのだろうが、その大音量にはいささか閉口した、というのが正直なところである。
 
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