ページタイトル:藤崎台のクスノキ 当サイトのシンボル

画像:藤崎台のクスノキ(1)
 上空から見て反時計回りに回ると、最初に出会う大クス。クスの向こうに熊本市街が見える


画像:藤崎台のクスノキ(2)
 その隣のクス。枝の先端が低く垂れ、地に接している


画像:藤崎台のクスノキ(3)
 外野席裏。立ち上がってすぐ2幹に分かれている


画像:藤崎台のクスノキ(4)
 バックスクリーン横。これが最大株か?
名称 藤崎台のクスノキ (ふじさきだいのくすのき)
名称の典拠 天然記念物指定名称(注1)
樹種 クスノキ
樹高 22mほか(注2)
目通り幹囲 20.0mほか(注2)
推定樹齢 1000年(注3)
所在地の地名 熊本県熊本市中央区宮内(注4)
 〃 3次メッシュコード 4930−15−56
 〃 緯度・経度 北緯32度48分23.2秒
           東経130度41分48.9秒(注5)
国指定天然記念物(1924年12月9日指定)
撮影年月日 2009年7月30日

注1)2009年3月に熊本県教育委員会が設置した案内板の名は「藤崎台クスノキ群」となっているが、文化庁の国指定文化財データベース(WEB版)に登録されている名は「藤崎台のクスノキ群」と、「の」が入っている。それに従った
注2)環境省データベースより(2001年調査の結果とされている)。ただし、上記案内板では、「最大のものは幹囲12m、樹高28mに及び、(後略)」としている
注3)上記案内板による
注4)2012年4月1日、政令指定都市への移行に伴い、住所表示が一部変更された
注5)これは、左図一番上のクスノキの位置





 国天然記念物の大クス群は、藤崎台県営野球場の裏。
 普段ならば、クスノキ見学者も、短時間の駐車場利用が可能なようだが、生憎、とんでもない日に訪ねてしまった。
 球場は高校野球熊本県大会決勝戦の真っ最中。
 この年、決勝まで勝ち上がったのは熊本工業と九州学園。両校の応援団の熱気が球場外まで伝わってくる。球場前には屋台まで出る賑わい。
 探訪日程上、別の日というわけにも行かないので、少し離れた熊本城の駐車場に車を置いて歩いた。幸い距離はいくらでもない。
 野球場の横をぐるっと回って裏手に出ると、大クスたちが待っていた。


画像:藤崎台のクスノキ(5)
 球場施設内にも大クス


 ここは白川右岸の井川淵町に鎮座する藤崎八幡宮の旧地である。
 伝承によれば、八幡宮は、承平3年(933)、平将門の乱の鎮圧を願う朱雀天皇の勅願によって創建。これらのクスノキも、いわゆる鎮守の森の構成員たちであった。
 明治10年(1877)、西南戦争の熊本城攻防戦で八幡宮は焼失、現在地に遷座した。その後、跡地は軍用地となり、そして昭和35年(1960)に県営野球場ができた。(案内板より)
 こんな歴史が、神木としての保護を失ったクスノキを、手つかずのまま今日に残してくれることになった要因なのだろう。とにかく、今ではこれだけ大きいクスノキが群生する場所は、もう他にない。
 クスノキたちは、御神木であることを止めて、自然児に返った感じ。幹には多くの蔓が巻き付き、着生植物も多数。
 よく見ると、それぞれ個性があるようで、すっくと立ち上がって上方に腕を伸ばすものもあれば、横に伸ばした枝先が、文字通り地に着いているものもある。
 1本ずつ、ゆっくり対面してゆく。
 球場からは断続的に歓声が聞こえてくる。しかし、クスノキのあたりに人影は少ない。失礼ながら、応援には来たが、それほど試合に興味があるわけでないのか、時折、2〜3人連れが散歩に来られる程度。
 藤崎台の名のとおり、ここは市街地より20mほど標高が高い。台地の縁からは町並みがよく見える。
 天気の良い日には、町から、夕陽に輝くクスノキが見えるだろうか。
 
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