ページタイトル:峰全院の藤 当サイトのシンボルマーク

画像:峰全院の藤 名称 峰全院の藤 (ほうぜんいんのふじ)
名称の典拠 なし(注1)
樹種 フジ
樹高 −
目通り幹囲 2.5m(根廻り)(注2)
推定樹齢 250年(注2)
所在地の地名 福島県白河市表郷番沢字原(注3)
 〃 3次メッシュコード 5540−42−71
 〃 緯度・経度 北緯37度03分45.5秒
           東経140度16分06.1秒
白河市指定天然記念物(1980年3月14日指定)
撮影年月日 2020年8月27日

注1)天然記念物指定名称は「山藤」。なお寺の名前を「ぶぜんいん」だとばかり思っていたが、「曹洞禅ナビ」で調べたら「ほうぜんいん」であった
注2)白河市教育委員会が設置した案内板による(設置年月不詳)
注3)2005年11月7日、白河市に合併。旧行政区は西白河郡表郷村





 里芋(サトイモ)と山芋(標準和名はヤマイモ)を同一種の植物だと思う人は殆どいないだろう。芋の形も葉の形も全体の姿も全く違う。まして、もともと同一種なのだが、栽培されるのが里芋と呼ばれ、野生のは山芋と称すると誤解されることはまずあるまい。
 しかし、フジとヤマフジに関しては、どうもそのように誤解されることが多いようなのである。
 フジとヤマフジは近縁ではあるが、別種である。例えがよくないかも知れないが、ヒトとゴリラのようなものである。
 案内板にそれらの違いについて記されていることもよくある。最も見分けやすいのは蔓の巻き方で、ヤマフジは右巻きでフジは左巻きと書いてあることも多い。
 ところが、この「右巻き」「左巻き」が曲者で、昔と今では逆なのである。(それが混乱の元凶と思われる)
 マメやアサガオなど、蔓性の植物を育てるには支柱を立てる。すると支柱に沿って蔓が伸びてくるわけだが、支柱を上から見た時、蔓の先端が右回り(時計回り)に回転しながら伸びてくるのを、昔は右巻きとしたものだ。(私の小学生時代はそのように習った。ネット上では今でもこのような説明を多く見かける)
 今の主流はそうではない。自分が蔓の先端になったつもりで前方を向く。そのときハンドルを右に切りつつ進んで行くのを右巻きというのである(昔とは反対になることをお確かめいただきたい)。別の表現をすると、支柱に巻き付いた姿を横から見て、右上がりなら右巻き、左上がりなら左巻きと言ってもいい。あるいはその蔓の螺旋模様が右ネジと同じなら右巻き、左ネジ(滅多に見ないが)と同じなら左巻きとしてもよい。
 左図でお分かりのように、この蔓は左巻き。つまりヤマフジでなく、フジである。
 「山藤」の文化財指定名称は旧表郷村から受け継いだものだが、白河市は、これはヤマフジでないことはわかっていたようで、案内板では名称を「紫藤」としてあった。
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