ページタイトル:宝徳寺のイヌマキ 当サイトのシンボルマーク

画像:宝徳寺のイヌマキ 名称 宝徳寺のイヌマキ (ほうとくじのいぬまき)
名称の典拠 現地の標柱(注1)
樹種 イヌマキ
樹高 15m(注2)
目通り幹囲 4.1m(注2)
推定樹齢 300年以上(注2)
所在地の地名 福井県三方上中郡若狭町気山(切追)(注3)
 〃 3次メッシュコード 5335−37−02
 〃 緯度・経度 北緯35度35分12.3秒
           東経135度54分01.5秒
若狭町天然記念物(1992年10月16日指定)
撮影年月日 2022年4月1日

注1)設置者名と設置年月の確認を忘れた。天然記念物指定名称もこれに同じ
注2)環境庁「日本の巨樹・巨木林 甲信越・北陸版」による
注3)2005年3月31日、郡の異なる2つの町が合併して、新しい郡、新しい町(若狭町)ができた。旧行政区は三方郡三方町





 宝徳寺がある切追(きりょう)は、JR小浜線気山(きやま)駅から山一つ越えた西側。菅湖(すがこ、三方五湖の一つ)北岸の集落である。主要交通路から逸れているので、訪ねる人は多くないと思われる。
 集落を貫く道は1本のみ。その道路脇にイヌマキが立つ。
 道路より一段高い平面に凜と立つ姿が良い。樹勢も良さそうだ。
 訪問時現在、福井県内では、環境省巨樹データベースに登録されている唯一のイヌマキである。
 以下は余談だが、かつては「宝徳寺のラカンマキ」と呼ばれていたらしい。
 ラカンマキはイヌマキの変種で庭木や生垣に用いられることも多いという。しかし、植物図鑑等の説明では、樹高はせいぜい5m程度で、巨木と呼ばれるまでに大きくなることはないようなのである。
 それにしては、各地にラカンマキとされる巨木が多い。環境省巨樹データベースにも15本が登録されている。(登録数は16件だが、二重登録が1件ある)
 それらを見ると、寺院の所有によるものが圧倒的に多く、不思議なことに神社所有は1本も無い。
 想像するに、昔はイヌマキとラカンマキが原種と変種の関係にあるとは知らず、同一種の異称と考えられたのではないだろうか。つまり、二つの名前があって、そのどちらでも通用するのならイヌマキよりラカンマキの方が断然いい。それぞれ漢字で書くと犬槙と羅漢槙ということになるが、羅漢(阿羅漢)は、『小乗仏教の最高の悟りに達した聖者』を意味するからである。(「大辞泉」による)
 そんなことから、特にお寺では(本当はイヌマキなのだが)ラカンマキの名が伝えられることが多かったと考えるのだが、どうだろう。
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