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名称 北斗宮の大クス (ほくとぐうのおおくす)
名称の典拠 現地の案内板(注1)
樹種 クスノキ
樹高 45m(注2)
目通り幹囲 5.8m(注2)
推定樹齢 600年(注2)
所在地の地名 福岡県嘉麻市大隈町(注3)
〃 3次メッシュコード 5030−25−59
〃 緯度・経度 北緯33度32分53.3秒
東経130度44分43.8秒
嘉麻市指定天然記念物(1980年3月8日指定)
撮影年月日 2017年3月31日
注1)嘉麻市教育委員会が設置(設置年月不詳だが、嘉麻市誕生後に設置されたと思われる)。天然記念物指定名称もこれに同じ
注2)上記案内板による
注3)2006年3月27日、1市3町が合併して嘉麻市誕生。旧行政区は嘉穂郡嘉穂町
遠賀川(おんががわ)右岸、旧嘉穂町役場(現嘉麻市役所嘉穂庁舎)の東南東300mほどのところに北斗宮が鎮座する。
正面参道のすぐ横、向かって右の太鼓橋を渡った先に大楠神社経由の脇参道が開いている。その道を登ると、左図のクスノキが参道脇に立っている。下から見上げるとサイズ以上の迫力が感じられる、なかなか魅力的な大クスだ。
実は、かつて北斗宮にはもっと大きなクスノキがあった。
話が逸れるが、江戸時代の筑前国黒田藩士の一人に貝原益軒(かいばらえきけん、1630〜1714)がいた。幼少より博学をもって聞こえ、儒学者にして本草学者(植物学者)であった。
生涯に60部270巻余の書物を著したようだが、その一つに「筑前国続風土記」がある。自らの足で藩内を歩き回って見聞した内容をまとめたものだ。
そのなかで、北斗宮の神木について、「いまたかほとの大木を見す(未だこれほどの大木を見たことがない)」と記しているらしい。(平凡社「福岡県の地名」から孫引き)
福岡県はクスノキ巨木の多い県である。幹囲が10mを超えても決して珍しくはない。それなのに、それらをさしおいて、かの貝原益軒を感嘆させるほどの大クスとは、いったいどんなものだったのだろう。
是非とも見てみたかったが、残念ながら今はもう無い。
その伝説的な大クスが立っていたのは、左図のクスノキのすぐ隣だったという。このクスノキは大クスの子供だとも言われているようだ。
枯れてしまった大クスを、いつまでも偲んでばかりはいられない。このクスノキだって、十分にインパクトがある。
先代に負けずに長生きして、未来の貝原益軒を唸らせてもらいたいものだ。 |
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