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名称 日置のハダカガヤ (ひおきのはだかがや)
名称の典拠 天然記念物指定名称
樹種 カヤ
樹高 20m(注1)
目通り幹囲 4.0m(注1)
推定樹齢 不明
所在地の地名 兵庫県丹波篠山市日置(注2)
〃 3次メッシュコード 5235−42−72
〃 緯度・経度 北緯35度04分00.9秒
東経135度16分49.5秒
国指定天然記念物(1925年10月8日指定)
撮影年月日 2015年7月25日
注1)環境庁「日本の巨樹・巨木林 近畿版」による。ただし、幹囲については、上記数値よりかなり大きいと思われる
注2)2019年5月1日、市名を篠山市から丹波篠山市に変更
篠山市役所から、直線距離にして東方に約6km。城東中学校の南西に隣接して磯宮八幡神社がある。
その境内、道路側に3本のカヤが並んで立ち、中央の1本が国から天然記念物指定を受けている。
指定名称にハダカガヤとあるが、ハダカガヤという種類の樹木があるわけではない。
通常、カヤ(榧)の実は固い殻に覆われているものだが、このカヤの実には殻が無く、渋皮のみ。それを、衣服を纏わぬ裸と見立てたのである。ハダカガヤは種名ではなく、いわば、この木の固有名ということのようだ。
このような例は非常に稀少であるらしい。天然記念物指定時の解説文には「唯一株ノミ存在ス」とあり、少なくとも大正14年(1925)当時は、世界でただ1本の奇木・珍木であるとされたようだ。(今はどこかにクローン苗が育っているかも知れないが、その後のことについては知らない)
そんな珍しいカヤであるから、当然、それに相応しい伝承もある。
建武3年(1336)、後醍醐天皇方に敗れて九州に落ちる途中の足利尊氏が磯宮八幡に参拝。武運の好転を祈願する際に、殻をむいたカヤの実を神前に捧げた。その実がこのハダカガヤになったというのである。(案内板より。講談社「日本の天然記念物」では、尊氏が菓子として出されたカヤの実の皮を剥ぎ、地に蒔いたとしている)
では、このハダカガヤの種を植えたらどうなるか。
残念ながら(?)、芽生えるカヤは、みな内殻のある普通のカヤなのだそうである。 |
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