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名称 八幹松 (はっかんまつ)
名称の典拠 現地の案内板(注1)
樹種 アカマツ
樹高 30m(注2)
目通り幹囲 8.3m(注2)
推定樹齢 500年(注3)
所在地の地名 山梨県北杜市小淵沢町(高野(こうや))(注4)
〃 3次メッシュコード 5338−62−14
〃 緯度・経度 北緯35度50分45秒
東経138度18分25秒(注5)
山梨県指定天然記念物(1959年2月9日指定)(注6)
撮影年月日 2002年2月25日
注1)小淵沢町が設置(設置年月不詳)
注2)環境庁「日本の巨樹・巨木林 甲信越・北陸版」による
注3)現地の案内板による
注4)2006年3月15日、北杜市に合併。旧行政区は北巨摩郡小淵沢町
注5)かすかな記憶を頼りに同定したため、正しい位置からは少しズレがあるかも知れない
注6)その後、指定を解除されたであろうと思われる
実は、この木を取り上げるべきかどうか迷った。なぜならば、会いに行ったときは、既に枯死した後だったからである。
八幹松の名は、地上30cmほどで5本の幹に分かれ、さらに途中からは全部で8幹に分かれている故の命名という。しかし、訪れたとき、幹は2本しかなく、それも、先端部分に僅かに残った小枝には緑の葉が無かった。いくら2月とはいえ、松は常緑樹である。死んでしまったのは明らかであった。
最初、場所がわからず、高野集落内の民家の門を叩き、道順を教えていただいた。
農作業用の狭い道を下ると、途中から舗装が切れ、道幅もだんだん狭くなってきたので、車を置いて歩いた。
八幹松は釜無川河岸段丘斜面の雑木林の中にポツンと立っていた。近くには前日降った雪がうっすらと残っていた。
倒れた幹はそのままの姿で転がっていた。樹皮は剥げ落ち、荒々しさを失った表面には一面に苔が生えていた。土に帰ろうとしている姿だった。スサノオに斬り殺されたヤマタノオロチの骸が想像された。傍らに「天然記念物」と書かれた白い金属板が空しく光っていた。
でも、ここに雄々しく逞しい、日本有数の巨松があったことを忘れはすまい。私のささやかなサイトに最期の姿を記録しておきたいと思った。 |
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