ページタイトル:玉泉寺のナギ ロゴ:人里の巨木たち

画像:玉泉寺のナギ

画像:玉泉寺のナギ(遠景)

画像:玉泉寺のナギ(葉)
 ナギの葉
名称 玉泉寺のナギ (ぎょくせんじのなぎ)
名称の典拠 現地の案内板(注1)
樹種 ナギ
樹高 16m(注2)
目通り幹囲 3.8m(注2)
推定樹齢 500年以上(注2)
所在地の地名 愛知県豊橋市石巻町字寺前
 〃 3次メッシュコード 5237−13−45
 〃 緯度・経度 北緯34度47分15.1秒
           東経137度26分34.1秒
豊橋市指定天然記念物(1957年9月19日指定)
撮影年月日 2014年9月23日

注1)豊橋市教育委員会が設置(設置年月不詳)。天然記念物指定名称もこれに同じ
注2)「とよはしの巨木・名木100選」に選ばれたことを機に豊橋市が設置した案内板による





 豊橋市郊外、石巻山(359m)の南西麓に、臨済宗妙心寺派南龍山玉泉寺がある。
 境内に立つナギ(梛)が豊橋市から文化財(天然記念物)指定をうけている。
 玉泉寺は、嘉慶元年(1387=元中4年))に示寂した慈雲座元(じうんざげん)の開山。その後、間もない時期にナギが植えられたと考えられているようだ。(案内板より)
 ナギ(梛)をご存じない方もおられるかも知れない。
 私も近年までナギを知らなかったが、暖かい地方の山地には自生するらしい。(ただし、玉泉寺のナギは人為的に植えられたものだろう) 針葉樹の一種であるマキ科に属し、イヌマキに近縁なのだが、針葉樹と思えないような幅の広い葉が特徴である。
 樹名の由来について、「牧野新日本植物図鑑」の説明では、「葉の形が、ミズアオイ科のナギ、即ちコナギに似ているから」とある。
 ではコナギの名の由来は?と、さらに同図鑑を調べると、もともとミズアオイをナギと言ったようなのである。それによく似た小型の植物だからコナギ。ミズアオイの葉はハート形だが、コナギの方は時に笹の葉のような細長い葉を付ける。(この葉が梛の葉に似る)
 さらに遡って、なぜミズアオイはナギと呼ばれたか。
 「古名ナギは菜葱の字をあて野菜とした葱の類という意味で昔はこの葉をゆでて食用にした」と、これも同図鑑にある。
 樹名の詮索はともかく、玉泉寺のナギは、樹形が美しく、樹勢も良い。
 上記3.8mの幹囲は、もっとも細いあたりの数値である。上方の分岐部分に向かって、幹囲はむしろ増加する。勢いを感じる樹形でもある。
 全国的に見ても、ナギの名木と言ってよいのではなかろうか。
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