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名称 府馬の大クス (ふまのおおくす)
名称の典拠 天然記念物指定名称
樹種 タブノキ
樹高 13m(注1)
目通り幹囲 8.6m(注1)
推定樹齢 1300〜1500年(注2)
所在地の地名 千葉県香取市府馬(注3)
〃 3次メッシュコード 5340−54−68
〃 緯度・経度 北緯35度48分14.6秒
東経140度36分29.9秒
国指定天然記念物指定(1926年10月20日指定)
撮影年月日 2014年5月14日
注1)環境庁「日本の巨樹・巨木林 関東版(U)」による
注2)「大クス展望公園」案内板による(設置者名・設置年月とも不詳)
注3)2006年3月27日、1市3町が合併して香取市誕生。旧行政区は香取郡山田町
北に広がる水田に向かって舌状に突き出る台地上に、「府馬の大クス」がある。
よく知られるように、実は、この「大クス」はクスノキではなく、タブノキである。文化財審議専門委員会の昭和44年(1969)調査で、樹種の誤りが明らかになった。(しかもタブノキとしては、2014年現在で、多分、日本一の大きさを持つ)
タブノキの別名はイヌグスであり、地元では昔から大クスと呼んでいたので間違えたのだろうとのこと。そうかも知れないが、どちらか一方しか自生しない場所ならともかく、クスノキとタブノキは、樹皮も葉も、様子が全く異なる。どうして間違えてしまったのだろう。
クスノキでないことはわかっていたが、地元の呼称を尊重したとする擁護意見もありそうだ。しかし、そんなことはあり得ない。明らかにクスノキと間違えたのである。何故なら、指定当時の調査報告書に「本樹
Cinnamomum Camphora Nees. et Eberm. ハ」云々とあるのだから。これはクスノキの学名である。
別に、非難しようというのではない。どんな偉い学者にも間違いはある。国のお堅い仕事に、こんな初歩的な誤りがあったとは愉快ではないか。間違いとわかっても、簡単に訂正できないというのも面白い。
そっちは気にならないのだが、残念なことがある。昨年(2013)10月16日、台風26号の強風で太い枝を失い、幹の一部が剥離してしまったのである。
不可抗力とはいえ、老体には堪えたことだろう。
かつてのように大きな樹冠を戴く姿を見ることは、もう無理なのだろうか。 |
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