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名称 荒神社の夫婦スギ (こうじんしゃのめおとすぎ)
名称の典拠 現地の案内板(注1)
樹種 スギ
樹高 42m(注2)
目通り幹囲 7.6m(注3)
推定樹齢 200〜299年(注2)
所在地の地名 岐阜県高山市江名子町
〃 3次メッシュコード 5437−12−43
〃 緯度・経度 北緯36度07分14.8秒
東経137度17分25.6秒
高山市指定天然記念物(1976年8月21日指定)
撮影年月日 2022年11月17日
注1)荒神社と高山市教育委員会が連名で設置(設置年月不詳)。荒神社の読み方については、文化財を紹介する高山市公式ウェブページによる。岐阜県神社庁の神社紹介ページでは「あらがみしゃ」とされている
注2)環境省巨樹データベース(2000年フォローアップ調査)による
注3)上記案内板による
木曽路・木曽街道というとまず中山道を連想するが、高山と木曽福島を結ぶ街道も木曽街道と呼ばれていたようだ。(木曽街道の名称は、高山側から考えると、木曽への往来に利用する街道だから。逆に木曽側から見る場合は飛騨街道と呼ばれた)
その街道の分水嶺の峠が美女峠(びじょとうげ)である。峠の北に降った雨は日本海に注ぎ、南に降った雨は太平洋に注ぐ。美女が大蛇に化けたという話を伝える美女ヶ池の北方に位置するため、峠の名も美女峠となったのだろう。
昔の街道は、分水嶺を成す山塊の稜線を通ったようだが、のち国道361号となって大八賀川(だいはちががわ)の谷を経由するようになった。そしてさらに2004年に「飛騨ふるさとトンネル」が開通してからは、美女峠を通ることもなくなった。
標記の夫婦杉が立つ荒神社は、その新しい国道から東に100mほどの位置に鎮座する。ただし、国道から直接神社に向かう道は無く、いったん上江名子集落に出てから江名子川(えなこがわ)の谷を遡らなくてはならない。
鎮座地は高山市中心部から4kmほどしか離れていないのだが、ずいぶん寂しい場所である。
ときどきクマも出没するらしい。参道の入口に注意書きがあり、その傍に、これを叩いて音を出すようにと、短く切った鉄パイプがぶらさげてあった。
天然記念物とされている夫婦杉は参道の途中。
双幹の大杉である。幹囲を1本ずつ測れば480cmと430cm(環境省データベースによる)。それらが根元では一体化している。全体としてはなかなかの体積感がある。
ところで、高山市の文化財紹介ウェブページによると、この荒神社には「あまざけ祭り」と呼ばれる例祭があるらしい。
1月の土曜日、『田んぼにしめ縄を張り、焚火で飯を炊いてその場所であまざけを仕込み、さめないようにして一夜その田んぼに置く。翌朝、発酵したあまざけの出来具合でその年の豊凶を占う。このあまざけを神社に運んで、五穀餅(米、麦、大豆、栗、小豆)とともに参拝者にふるまう。現在は、田んぼではなく上江名子公民館の前であまざけを仕込んでいる』とのことである。 |
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