ページタイトル:大将軍杉 当サイトのシンボル

画像:大将軍杉(幹と並ぶ)

画像:大将軍杉(全景)

画像:大将軍杉(幹に作られた扉)
名称 大将軍杉 (だいしょうぐんすぎ)
名称の典拠 現地の案内板(注1)
樹種 スギ
樹高 40m(注2)
目通り幹囲 8.0m(注2)
推定樹齢 伝承670年(注3)
所在地の地名 兵庫県朝来市和田山町藤和(ふじわ)(注4)
 〃 3次メッシュコード 5234−76−73
 〃 緯度・経度 北緯35度18分54.7秒
           東経134度47分41.8秒
和田山町指定天然記念物(1978年10月19日指定)
撮影年月日 2011年5月16日

注1)兵庫県が郷土記念物に指定したことを示す案内板(1972年9月1日指定(設置年月不詳))。なお、和田山町が設置した案内板では「大将軍スギ」と樹種部分がカタカナ
注2)環境庁「日本の巨樹・巨木林 近畿版」による
注3)和田山町設置の案内板(設置年月不詳)では、文和2年(1353=正平8年)、この地に隠棲した安立藤和(とうわ)が植えたことになっている。そこから計算すると、およそこれくらいか。(兵庫県設置の案内板では、旅の高僧が挿した杖が根づいたとしている)
注4)2005年4月1日、朝来郡内4町が合併して朝来市誕生。旧行政区は朝来郡和田山町





 播但道和田山インターの南で国道312号に別れ、アーチが連なる虎臥城大橋をくぐって、安井川の谷に入る。あとは道なりに県道136号(浅野山東線)を進むだけ。
 やがて県道は藤和峠を越え、畑川上流の谷に入る。さらに道なりに進んで行くと、藤和集落のすぐ手前の路傍に、この大杉が立っている。
 ウラスギ(アシウスギ)の仲間で、複数の支幹に支えられた大きな樹冠を戴いている。これだけの大きさともなると、さすがに各所に大枝の切断痕が見られ、主幹基部には空洞ができているようだが、樹勢そのものは極めて良好そうに見える。傍らに立つだけで圧倒されるような、すばらしい大杉である。
 大将軍杉の名について、案内板に説明があった。
 上記注(3)で記したように、文和2年(1353)、丹波国佐治の山垣城主足立遠政の長子藤和が訳あってこの地に隠棲した。そして、ここが、自身の遠祖と同姓の藤原正司がかつて仮寓した地であることを知った。因縁を感じた藤和は、正司を「大将軍」と呼んで尊敬するとともに、正司の墳墓の傍にスギを植え、神木として崇めた。それがこの大杉だという。
 ところで、この大杉の前面には、錠前のついた大きな扉が設置されている。中に仏像でも納めてあるかと、隙間から覗いてみたが、何もない。朽ちかけて空洞になりつつある大杉の中心部が見えるのみ。どうやら、雨水や野生動物の侵入を防ぐ役割を担う扉のようだ。
 しかし、違和感も感じた。
 扉であるからには、やはり出入口である。異次元世界への入口(ドラえもんのどこでもドア)? 魔物の世界への入口? それとも冥界? 地獄? あるいは天国?
 いろいろ想像することで、訪問者に楽しんでもらおうとの趣向なのかも知れないが、私には、むしろパフォーマンスが鼻についてしまい、どうも好きになれない。
 私にとって、巨樹は敬愛する友である。尊敬の対象を、単なる遊び心からおもしろ半分に茶化されているような思いがするからかも知れない。
 芭蕉の句をもじらせてもらうと、面白うてやがて悲しき扉かな、というところか。
 
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