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名称 別所町白山社のスダジイ (べっしょまちはくさんしゃのすだじい) 名称の典拠 なし 樹種 スダジイ 樹高 不明 目通り幹囲 5.6m(注1) 推定樹齢 不明 所在地の地名 石川県加賀市別所町 〃 3次メッシュコード 5436−32−29 〃 緯度・経度 北緯36度16分28秒 東経136度21分41秒 天然記念物指定 なし 撮影年月日 2007年11月17日 スダジイは、境内林の一員。草の実が衣服にくっつくのは覚悟の上。下草を掻き分けながら根元に達した。 別所町白山社の祭礼日は9月15日。 以前は9月6日であった。期日変更について、境内に石碑があった。 江戸時代のこと。大凶作に見舞われた年があった。この地でも、年貢はおろか、自分たちの食べ物にも事欠くありさまだった。 時の「十村殿」(肝煎)は、死を賭して藩侯に直訴。入牢、拷問の苦しみに耐えて、窮状を訴えた。その熱意が通じ、年貢は軽減され、救援金の貸与も得ることができた。そして9月6日、「十村殿」に帰宅の許しが下った。 以来、当社の氏子たちは、自分たちのために先頭に立ってくれた「十村殿」の徳を忘れぬため、この日を例祭の日と定めた。 昭和の終わり近く、祭礼日が9月15日に変えられた。当時、その日は「敬老の日」であり、国民の祝日であった。せっかくの例祭に、より多くの氏子たちが参加できるように、との計らいだったのだろう。 しかしこれでは祭礼日に込められた思いが薄れてしまう。せめてその思いを後世に語り継ぎたい。そんな気持ちから石碑が建てられたようだ。 人の寿命は、このスダジイにはとても及ばぬが、石碑の文面から、人の善意が鎖のようにつながっている感じを得て、ヒトの一員として、少し誇らしく思えた。 |
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