ページタイトル:五島青方のウバメガシ ロゴ:人里の巨木たち

画像:五島青方のウバメガシ


画像:五島青方のウバメガシ_2
名称 五島青方のウバメガシ
    (ごとうあおかたのうばめがし)
名称の典拠 現地の案内板(注1)
樹種 ウバメガシ
樹高 11m(注2)
目通り幹囲 3.5m(注2)
推定樹齢 300年以上(注3)
所在地の地名 長崎県南松浦郡新上五島町青方郷(注4)
 〃 3次メッシュコード 4929−30−74
 〃 緯度・経度 北緯32度59分03.5秒
           東経129度02分54.1秒
長崎県指定天然記念物(1978年8月22日指定)
撮影年月日 2015年3月29日

注1)設置者名・設置年月とも不詳。天然記念物指定名称もこれに同じ
注2)環境庁「日本の巨樹・巨木林 九州・沖縄版」による
注3)案内板に、3百数十年前、ここに移植したと伝承されているとある
注4)2004年8月1日、南松浦郡内の5町が合併して新上五島町誕生。旧行政区は南松浦郡上五島町





 フェリーが発着する青方港と上五島漁港の間に突き出た半島の南部、大曽教会の南の道路の突き当たり近くに、長崎県指定天然記念物のウバメガシが立っている。
 案内板の説明文が要を得て簡潔だったので、それをそのまま引用しよう。
 「ウバメガシは、ブナ科に属する。カシの一種で中国大陸と南日本の沿岸に分布するが、五島には自生しない。/ウバメガシは、漁網の染料や漁船の一部に利用するなど漁業との関係が深い。/このウバメガシは三百数十年前、紀州の漁民が青方に移住する際、紀州から移植したものと伝えられ、地元では紀州ガシの名で親しまれている。/ウバメガシの巨樹として珍しいだけでなく、この地方の漁業史の一端を物語る貴重な資料として指定された。」
 染料云々については確認できなかったが、材質が硬くて磨り減りにくいため、例えば和船では、耐久性が求められる櫓枕(ろまくら)や櫓臍(ろべそ)の用材としてウバメガシが用いられたらしい。
 ただし、このウバメガシについては、利用のために枝が切られた形跡が見られない。
 先祖の形見として、ずっと大切にされてきたウバメガシなのだろう。
 これだけのびのびと枝を伸ばしているウバメガシ巨木は、全国的に見ても珍しいように思われる。
ボタン:長崎県の巨木リストに戻る ボタン:トップページに戻る